芸人の闇営業問題が連日話題になっていますね。一体どうして彼らは闇営業をすることになってしまったのでしょうか?
闇営業をしてしまう理由の一つに芸人が所属する吉本興業の給料が安いからだという意見があります。
でもなぜ有名な事務所なのに吉本興業の給料は安いのでしょうか?
この記事では、具体的にどれくらいの給料なのか?なぜ給料が安いのか?芸人たちは吉本から他の事務所に移籍しないのか?反対に給料が良いお笑い事務所はあるのか?を調査しました!
Contents
吉本興業の給料が安いのはなぜ?
吉本興業の取り分が大きいから
芸人さんがテレビなどに出演するともらえる出演料ですが、出演料の全てが芸人さんのギャラになるわけではありません。
出演料の何割かは事務所が貰うという仕組みになっています。事務所のサポートのおかげで芸人さんは仕事をもらえているわけですからこれに関しては問題はないように思えます。
驚くのはその取り分の割合。吉本興業の芸人さんの取り分はなんと9:1と言われています。もちろん9が事務所で1が芸人さんですよ。
9:1と聞いてさすがに筆者も驚きましたね。しかも、芸人さんがコンビやトリオの場合はそこからさらに分けることになりますから大変です。
なんでもメジャーリーガーの田中マー君ほどの契約金があったとしても、吉本が間に入ると実際に振り込まれるのは50万円ほどにしかならないといった声もありました。
ちなみにマー君の契約金は7年契約で161億円。それが50万円になってしまうのはさすがに言いすぎのような気もしますが、(それだと芸人さんのギャラほぼゼロになりそう)それだけ吉本興業の取り分が多いということを表しているとも言えます。
さらにこの取り分の割合は売れっ子になっても大して変わりません。
タレントの千秋さんが元夫のココリコ遠藤さんの給与明細を見て「吉本って本当にギャラを9割とるんだなと思った」と発言していますし、この発言に対して品川庄司の庄司智春さんを夫に持つ藤本美貴さんも同調していたので確かです。
FUJIWARAの藤本さんの妻の木下優樹菜は、夫の給与明細をみてあまりの少なさにそっと抱きしめたなんていうエピソードまであります。(笑)
あんなに有名になっているのに給料が少ないのは意外ですね。
社員じゃないため労働基準法が適用されないから
バイトでも最低賃金が決まっているのに、どうして吉本興業の芸人さんの給料が安くて問題になるのでしょうか?
その答えは吉本興業と吉本の芸人さんは雇用関係にはないからです。つまり芸人さんたちは吉本興業の社員ではありません。芸人さんたちはいわばフリーの立場。事務所と契約をして1回いくらで仕事をしているのです。
芸人さんたちは労働者ではないので、労働基準法が適用されません。最低賃金や労働時間・有給休暇などのルールが通用しないのです。
人気が出れば仕事が増え、収入も高くなりますが、人気がなければ仕事もなく収入もないという状況に陥ってしまいます。
仕事で必要な交通費もでない場合があり、芸人さんによってはギャラよりも交通費が高くて赤字になってしまうこともあるそうです。
うーん、シビアです!
所属人数が多いから
お笑い事務所と言えば吉本興業と言われるだけあり、吉本興業に所属したいと思う芸人はたくさんいます。
吉本興業の社員数は644名、所属芸人は約6000人もいると言われています。6000人のほとんどは無名の芸人たち。
「ワイルドだろ~」でおなじみのスギちゃんがインタビューで凄いエピソードを話していました。なんでも後輩が吉本の養成所に入学金を払ったあとに、講師から「お前たちを売るつもりはない」と言われたそうです。上のクラスが詰まっているから後から入る人達は出にくいという意味でした。
それだけ人数が多くて仕事のチャンスを掴みにくいということですね。
そして、そんなに人数が多いのにギャラを多くしてしまうと払う側も大変です。一度給料を高くしてしまうと、次から下げるのは難しいですから慎重になってしまうのでしょう。それが異常に安い給料設定につながっているのではないかと言われています。
設備投資にお金をかけているから
「花月」という言葉を聞いたことはないでしょうか?それは吉本興業が独自に持っている劇場のことです。大阪や京都、東京、沖縄など各地に吉本の劇場を展開しています。
そこでは毎日のように若手芸人によるお笑いライブなどが開催されており、若手が芸の腕を磨くにはもってこいの環境となっているのです。
筆者も一度都内にある花月でお笑いの芝居を見に行ったことがあります。出演していたのはノンスタイルの二人!他にも若手と思われる芸人さんが出演していました。
その時お笑いの芝居を始めて見たのですが、予想以上に面白くてとても満足した思い出があります。当時はノンスタイルの存在を知らなかったのですが、この芝居をキッカケにノンスタイルの存在を知ることになりました。
このように、テレビ以外の場で芸人さんの活躍させることで芸人さんの知名度をあげたり、お笑い文化の普及活動を吉本は行っているのです。
また、吉本興業はテレビ局の株式を保有しているため独自で番組制作も行うことができます。
通常テレビ番組はオファーがないと出演ができないですが、独自のテレビ番組を制作することで、吉本が売りたい芸人さんをテレビに出演させて知名度をあげさせることができるんですね。
これだけ見るとお笑い芸人を目指すには最適な環境のように見えますね。
ですが、劇場を全国に作ったり、番組制作をするには運営費や人件費も大量にかかってしまいます。劇場運営や番組制作に費用を費やしている代わりに芸人さんへの給料を下げているという仕組みとなっているのです。
古い慣習が息づく特殊な世界だから
最近は吉本興業の給料の低さを個人的に訴える芸人さんが増えてきたように思えますが、それでも全く変わらないのは会社の体質やそこにいる人の価値観のせいもあるでしょう。
「売れてない下積み時代は貧乏でも仕方ない」そんな昔からのしきたりを今でも信じている人が多いからではないでしょうか?職人の世界などお笑いの世界以外でも日本にはそう信じている人が一定数いるのは事実です。
実際ビートたけしなど現在は大物となっている芸人さんが昔は貧乏だったという人はかなり多いです。
若手芸人の中にもそういった思想を信じていて、低い給料に我慢している人は大勢いるでしょう。そして周りがそんな風に思う人だらけだと、いつのまにか自分も同じような思想に染まってしまうものです。
会社の体質というものはそう簡単に変わりません。少数の芸人が給料の安さを訴えても聞き入れてくれないであろうことは想像できます。
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吉本興業の給料は具体的にいくらぐらい?
では、そんなに安いと言われる吉本興業の給料ですが、一体具体的にはいくらくらいなのでしょうか?
知って驚かないでくださいね。
1ライブ50円!
吉本の給料明細がきた。
説明会がありギャラはちゃんと出ます。
と、そこそこの規模で始まったチェンジライブのギャラが入った。50円。
源泉引かれて45円。ギャラが安いのでお馴染みの吉本に20年いて、すっかり慣れっこになった私ですが、これは酷いと思い写真付きでツイートしました。 pic.twitter.com/bwvIdoNHIc
— キートン (元、増谷キートン) (@masuyakeaton) 2018年5月19日
これは吉本に所属しているキートンさんのツイートですが、これによるとなんと「1ライブの給料が50円」だそうです!
さすがにこれはかなり酷いですね。思わずツイートするほどの酷さということですから毎回この金額ということではなさそうですが、ライブ1回で50円の給料もありえるのが吉本興業です。
50円だと交通費で赤字ですね。子供のおこづかいよりも低そう。
ていうか50円の給料でも源泉徴収されるんですね~。
バラエティのロケ収録で1万円
比較的売れている若手芸人のレベルだと、バラエティのロケ収録で大体10万円とのこと。となると芸人の取り分は1割なので1万円ということになります。
ロケの収録は拘束時間も長いでしょうから1日に何回も出来るものではありません。1~2個の収録が限界でしょう。
1回で1万円しかもらえないとなると、毎日のように収録の仕事がないと生活するのは厳しそうです。
売れると結構もらえる
給料が安いのは基本的にまだ売れていない芸人で、売れるようになると結構もらえるらしいです。
ジャングルポケットのおたけさんがテレビで年収1700万円と明かしています。
ただ、この年収は吉本からの給料以外が多く含まれているのではないかと思います。なんでも吉本興業が関係するテレビ番組以外のテレビの出演料や特番などの賞金、CMの出演料は全額貰えるそうなので、これらの給料の割合が大きいのではないでしょうか。
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吉本興業から他の事務所に移籍しない理由は?
これだけ給料が安いと騒がれている吉本興業ですが、なぜ吉本から他の事務所に移籍するということは考えないのでしょうか?
それはやはりお笑い芸人を目指す人から見て、吉本は所属するほどのメリットを感じているからでしょう。
一見給料が安く、体質も古いしでメリットがないように見えますが、それを我慢してでも吉本に所属する理由になるメリットがあるのです。
そんな吉本に入ることで得られるメリットを紹介します。
活躍するチャンスが圧倒的に多い!
先ほど紹介した通り、吉本は自前の劇場を持っていたり、独自でテレビ番組を制作しています。
ということはつまり、芸人たちが活躍できる場が他の事務所よりも多いということなのです。
吉本独自の劇場やテレビ番組ですから、そこに出演するのはもちろん吉本の芸人たちです。筆者も以前吉本の劇を見に行ったことがありますが、そこで演じていたのはまだテレビにあまり出ていないような若手の芸人さんがほとんどでした。
つまり、まだ売れていない若手でも人前で芸をするチャンスがたくさんあるということなのです。
人前で芸をする経験を多く積むことで、芸の腕が磨かれるスピードが上がっていくのだろうということは素人でも想像がつきますよね。
活躍できるチャンスが多いというのは若手の芸人さんにとってかなりメリットなのではないでしょうか。
先輩芸人が多く、仲良くなれれば出世のチャンスも!?
吉本にはたくさんの売れている芸人が所属しています。そんな売れている先輩芸人と間近で一緒になる機会が多ければ、後輩にとってこんなに心強いことはないですよね。
先ほども紹介した通り、吉本は独自の劇場やテレビ番組を持っているので、売れている先輩芸人と若手の後輩芸人が接する機会は他の事務所よりも多くなるでしょう。
先輩から直接指導してもらえたら、後輩はやる気も出るし、芸にも磨きがかかりますよね!
また、テレビ番組でネタにするほどですから、芸人同士で仕事終わりの食事に行く機会も多いでしょう。
そんな仕事からちょっと離れた場で、売れている先輩芸人に「おまえおもろいやん。」と気に入ってもらえたらテレビ番組などの注目の若手紹介コーナーなどで推薦してくれることもあるでしょう。
そういったチャンスをものにすれば一気に出世の道も拓けるかもしれません!
そんな売れている先輩が身近に感じれる環境にいるということは、若手にとって大きなメリットになるのではないでしょうか。
大物になれば給料は保証される
吉本興業は売れていない若手芸人の給料に関してはシビアですが、一度売れてしまえばある程度の収入は確保されます。
冠番組を持ったり、長い間テレビに出続けられるような大物芸人になると、他の事務所にひけをとらないほど給料がもらえるようです。
若手の取り分は9:1ですが、藤本敏史さんクラスの中堅では8:2か7:3だそう。
小藪千豊さんは吉本新喜劇の座長を務めており、テレビでも活躍されていますよね。このくらいのレベルでやっと5:5となるようです。
それより上のクラスになると、吉本の所属でありながら個人事務所の設立を認めるなどの配慮をするとのこと。
中堅クラスでも8:2、7:3は厳しいような気もしますが、いったん大物になってしまえば給料の安さに悩むことはなくなりそうです。
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給料が良い事務所はどこ?
吉本興業の取り分が9:1なのは分かりましたが、他の事務所の取り分はどうなっているのでしょうか?
ギャラの取り分を事務所別に紹介します。
ワタナベエンターテイメント
ネプチューンや中山秀行、イモトアヤコらが所属しているワタナベエンターテイメントのギャラの取り分は7:3!
吉本よりはよく見えてしまいますね、
太田プロ
有吉弘行やおかもとまり、土田晃之らが所属する太田プロはなんと4:6!
吉本と比べるとかなり良心的です。なんでも土田晃之さんが自ら交渉して4:6に持っていったそうですよ。
マセキ芸能社
ウッチャンナンチャンや出川哲郎、いとうあさこらが所属しているマセキ芸能社ですが、取り分についての情報は公開されていませんでした。
ですが、ナイツ塙さんがテレビで
「吉本のギャラはマセキの10分の1のギャラしかなくて驚いた!」と発言した過去があるので、吉本の10倍のギャラと考えていいのではないでしょうか?
人力舎
オアシズやおぎやはぎらが所属する人力舎のギャラの取り分は5:5から4:6ほどと言われています。事務所への貢献度によって配分が変わってくるようです。
結構いいですね。
グレープカンパニー
サンドウィッチマンらが所属するのがグレープカンパニー。グレープカンパニーは芸能事務所の中で一番芸人のギャラが高いという噂もあり、配分はなんと6:4!
吉本に比べると相当優遇されていますね。
グレープカンパニーはサンドウィッチマンの二人とマネージャーが一緒になって立ち上げた事務所です。独立に近い気もしますね。芸人側が立ち上げた事務所だから芸人側に配慮した配分となっているのではないでしょうか。
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まとめ
なぜ吉本興業はギャラが安いのか?、ギャラが安いのになぜ皆移籍しないのか?ギャラが良い事務所は存在するのか?について調査しました!
事務所によってこんなにも給料に差があったのが驚きでしたね。芸人を目指している方は事務所をしっかり比較検討してはいることを決めたほうが良いと思います。
これだけ給料が安ければ闇営業をしてしまう気持ちも分からなくはないです。反社会勢力とのつながりは良くないですけどね!